2019年04月14日

2018年 年度賞 入賞・入席作品


2018年 年度賞
総評 山ア 友也


確認しておきますが、
“年度賞”への応募作品は、
その年に自分が撮ったなかで
もっとも優れている写真
ということですよね?
いつも思うことですが、
その割にはレベルが低すぎます。

 提出しなければならないから
とりあえず適当に撮って出そうとか、
過去に撮ったものでお茶を
濁そうとか思っている人は、
むしろ提出しないでください。
真剣に考えて活動している
他の会員にも失礼ですから。

和気あいあいと楽しくやるのは
良いことだと思いますが、
締めるときは締めないと、
ただのお遊びクラブになってしまいます。

 というわけで今回は
もっと席次の枠があったのですが、
力みなぎる作品を
6点だけ選ばせていただきました。。




最優秀賞
 「春のきざし」 山川健一

00山川.jpg

どっぷりと日が暮れてからの撮影のため、
あたりは真っ暗です。
そこへストロボを使用して、
しだれ桜を浮き上がらせています。
奥にある踏切はぼけていますが
それとなく分かり、
大きさ、位置ともに抜群の配置です。
あえて列車の光跡も入れなかったことで
スッキリとした明暗になり、
桜もより目立つことになりました。




第一席
METAL LINE」 市川健一郎

01市川.jpg

まだ屋根が取り付けられていない
建設中の駅のようすです。
逆光で捉えた骨組みとレールが光り、
金属の質感と直線的な模様が
よく表現されています。
電車も小さく顔だけ入れてあるのみなので、
存在感も薄れて良かったと思います。




第二席
空中のイルミネーション」 新田和仁

02新田.jpg

良くみる新宿のイルミネーションですが、
ガラスに反射させたことで
立体的な空間のように思えます。
そこに人を被らせたことで異次元の、
まるで宙に浮いているような
効果が現れました。
奥に反射している店の看板が
現実味を覚えさせるので、
カットした方がより不思議さが
増したでしょう。




第三席
静寂」 野村一也

03野村.jpg

普通の風景写真としても
このような雲は魅力ですが、
湖面の反射として切り取ることで
作品性がグンと出ました。
本来ならもう少し彩度を強めて
色鮮やかに表現したいところですが、
あえて抑えたことで渋さが増しています。
画面左下に湖の底の石が
写っているのがポイントですね。




第四席
細雪の夜」 寺倉篤史

04寺倉.jpg

この並走は、なかなか
流し撮り、反射、スローシンクロなど、
さまざまなテクニックと表現方法を駆使した、
なかなか粋な作品です。
発想力が素晴らしかったです。
背景が真っ黒なので、
まるで宇宙を旅する
銀河鉄道のような効果が出て、
大変ロマンチックな絵に仕上がっています。




第五席
夕陽」 木村正一

05木村.jpg

夕陽によって生み出された
オレンジ一色の世界観。
トラス橋の質感が出る
この上ないタイミングで
列車とともに捉えられています。
もう数分狂うと、
このきらびやかさは
表現できなかったでしょう。
写真の持つ一瞬の大切さを
見事に写し込めた一枚です。

posted by CPCれいるうぇいず at 10:22| 日記

2019年01月16日

2018年秋撮影会 「東海道新幹線・東海道線・小田急線」


2018年秋撮影会
 「東海道新幹線・東海道線・小田急線」
10月20日(土)


総評:山崎 友也

早川と新松田といい、
撮影場所の都合からポジションが限られてしまうため、
似たような絵柄になってしまうのでは
という懸念もありましたが、
新松田での作品は個性あるものが多く提出され、
バラエティに富んだ入賞作となりました。
反面、早川の撮影地での作品が
選出されなかったということは、
個人の感性もさることながら、
場所選びにも要因があったのではないでしょうか。




第一席 「雲間」
木村 正一

01.jpg
小田急電鉄のお立ち台ともいえる新松田の鉄橋ですが、
悪天候へと変わっていくなかでの自然現象を
主題として上手く追い風と変えました。
雲間から差し込む光芒を大きく捉え、
構図も申し分ありません。
しかも列車がすれ違っていることからも、
きっと天使が味方してくれたのでしょう。





第二席 「並んだ♪ 並んだ♪」
吉田 靖子

02.jpg

並んで干されているペットボトルカバーを主題にするという、
その着眼点と発想が素晴らしく、
カバーのすき間に列車の顔を配置させる
というアングルも、バランス良いです。
やや色がのっぺりした感じを受けるので、
コントラストを少し上げて
濃度を少し下げても良かったかもですね。





第三席 「類似」
西住 美穂

03.jpg

おびただしいばかりの竹を画面のほとんどが占め、
全体的にローキーにすることで、
雑然としたようすや虚しさ、
寂しさのようなものを増長させています。
ただしピント位置が
メインの竹の先端にしなかったことに、
詰めの甘さを感じます。





第四席 「立ちすくむ しらさぎ」
峯浦 憲光

04.jpg

浅瀬にたたずむ鷺を超望遠レンズで捉えましたが、
被写界深度が深すぎました。
F10での撮影ということですが、
ここは開放で撮影し、
もっと列車や背景をぼかすべきでした。
あとは列車の存在感に鷺が負けていますので、
もう少し鷺を大きく撮るよう工夫が必要です。





第五席 「遥か向こうの倖せに向かって」
山川 健一


05.jpg

もう少し早い時間帯に狙えば、
太陽が橋梁の中心にあって
シンメトリーの構図になっただけに残念でした。
あとは被写体は特急である必要は全くないので、
できれば橋の両側に列車がいるタイミング
で 撮れたとするならば、
間違いなく一席でしたでしょう。





第六席 「穏やかなひととき」
寺倉 篤史

06.jpg

狙いと表現方法はバッチリでしたが、
ちょっと色の濃度が濃すぎでした。
席次はプリントでの判断ですので、
もったいなかったです。
細かく言えば、
メインの花びらの左下のつぼみや茎は
重ねない方が良かったですね。








posted by CPCれいるうぇいず at 05:35| 日記

2018年06月07日

2018年春撮影会 「明治村・近江鉄道と新幹線」



2018年春撮影会
 「明治村・近江鉄道と新幹線」
4月21日22日(土・日)


総評:山崎 友也

初めて2日間とも天候に恵まれた撮影会になりました。
初日は博物館明治村でしたが、
鉄道に関する被写体に限りがあるので、
園内で作品が撮れるのか
心配な側面もありました。
ところが選ばれた作品の多くが
明治村で撮影されたものという結果には、
少々驚きました。
また列車メインの写真よりも
スナップが多かったことは、
当会の特色が出ていて喜ばしくもありました。




第一席 「ハイカラな足回り」 佐藤 理

1.jpg

明治村では明治時代風のドレスや袴などを借りて、
園内を散策することができます。
おそらくそのサービスを利用した人を、
SLの車輪とうまく絡めました。
妙技なのは、
つい全身を入れがちですが、
女性の帯から下だけを写したことです。
そして右足の上がり具合も、
歩いているようすが分かり、
大変良かったです。
加えて女性が傘を横に向けていたのは、
かなりラッキーでしたね。





第二席 緑響森元容梨子

2.jpg

弓道場からのぞく緑が
美しい色合いをみせています。
明暗差を利用して
道場を露出アンダーにしていますが、
床や天井の板材の質感も
雰囲気良く表現できています。
まるで古都の寺院などから見る
景色のようですね。
プリントの仕上がりも見事でした。




第三席 風見鉄 牧野英和

3.jpg

列車は何も写っていませんが、
鉄道に関するものをモチーフにしていますので、
これも立派な鉄道写真です。
惜しかったのは、
もう少し望遠で狙って
ツツジをぼかしたかったのと、
風見鶏のようすを
もう少し分からせても
良かったと思います。




第四席 「古(いにしえ)の輝きとゆがみ」
固山敏行

4.jpg

ローキーな作品でボク好みのテイストです。
御料車の縦の金色のラインがシャープに写り、
ハイライトの役割もしています。
窓の写り込みが異彩を放っていますが、
入れた方が良かったどうかは
評価が分かれるところです。
画面右上の空間を
もう少し減らしたかったです。




第五席 近江路の春 木村正一

5.jpg

地方ののどかな昼下がり、
のんびりとしたようすが
とてもよく伝わってきます。
半逆光の光線状態だったので、
供えてある花が
立体的に輝いているのも目を惹きます。
列車のボケ具合も
問題なくまとまっているのですが、
全体的に何か大人しさを感じました。




第六席 出発!動いたよ 峯浦憲光

6.jpg

こどもの表情を、
やっとここまでアップで
捉えられるようになりましたね。
これくらい寄れれば迫力も出ますし、
楽しさもより伝わってきます。
あとは後ろにいる親御さんの処理ですね。
多少は入れるのか、
それともカットするのか、
ハッキリしたいところです。



posted by CPCれいるうぇいず at 22:16| 日記