2021年09月29日

2021年春のリモート撮影会テーマ「空」「連結」


2021年春リモート撮影会

 6月26日(土)「空」  
6月27日(日)「連結」



総評:山崎 友也

今回は通常なら宿泊しての撮影会でしたが、
コロナ禍ということで、
それぞれ自宅近郊で2日間撮影することになりました。
そのため1日目を「空」、
2日目を「連結」というテーマで挑んでもらいました。


 結果、初日は天気があまり良くなかったため
工夫がみられた「空」に対し、
「連結」の作品に安易なものが多く見受けられました。
「連結」のシーンや状況をそのまま写すのでは
単なる記録に終わってしまうので、
それを想像させるようにアングルやレンズワークなどを
工夫すればもっと作品性は高まったと思います。







第一席 「一瞬の真央様
征矢野 毅彦

1_征矢野毅彦_一瞬の真央様.jpg

おそらくこの光景を肉眼で見て、
このように再現しようと思って撮られたのでしょう。
しかし簡単そうに見えますが、
シャッター速度の設定や車両の位置など、
大変な苦労があったと容易に想像できます。
ひらめきと技術、努力があわさってこその一枚ですね。





第二席 「どんてん
佐藤 新一郎

2_佐藤新一郎_どんてん.jpg

鉄道車両を撮る人は、
車体がハッキリとみえないトラス橋を嫌います。
ところがそのトラスの重なりを利用して
造形美とした発想には、目から鱗でした。
そして何よりも、太陽の存在が主張しつつも雲に隠れている
空の表情がドラマチックで素晴らしかったです。






第三席 「老兵の絆
固山 敏行

3_固山敏行_老兵の絆.jpg

普段私たちが見る連結器は上からなので背景は地面ですが、
下から撮影したことで車体や屋根が背景となり、
とても新鮮な画になりました。
色をなくしたことも質感描写や時の流れなどが
表現されて良かったと思います。






第四席 「空からコンニチワ
木村 正一

4_木村正一_空からコンニチワ.jpg

こちらの作品も運頼みの要素が多いので、
撮るまでの労力は相当だったと思います。
ただし運だけではなく、
車両の下部や足回りをカットして
なるべくパラシュートを大きく撮ろうという構図力を感じます。
GSEのさりげない画面配置も最高でした。




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2020年12月28日

2020年 年度賞 入賞・入席作品


2020年 年度賞
総評 山ア 友也


その年に撮れた最高の写真でエントリーしてもらいたい年度賞ですが、
相変わらず付け焼き刃で撮影した作品が多いことが気になります。
ただ全体的にイメージとスナップが多く、
なかでも特に光りと影をテーマにした作品が多かったことは、
当会の目指す方向性にあっているので、
更なるブラッシュアップを望みます。




最優秀賞
 「電光石火の如く」 牧野英和

00.jpg

霧が立ちこめるぼんやりとした景色のなか、
影が連なる先にみえるヘッドライトが
列車の存在感を表しているこの作品。
ポイントは2つあります。
まず列車を止めて撮るのではなくブラしたこと。
これでよりいっそう霧のイメージや幻想感が高まりました。
もうひとつはフレーミングです。
水面すれすれから撮影したことで遠近感が生まれ、
迫力もともないました。
まさに年度賞にふさわしい
素晴らしい一枚だと思います。




第一席
迫りくる」 窪田稔

01.jpg

撮影地に立ち、被写体と対峙したとき、
あえて無理やり普通とは違う撮り方をする必要はありません。
しかしまだ他に何か撮れるアングルやレンズワーク、
手法などがないだろうかと考えることを
必ずやって欲しいと思います。
その状況で作者はズーミングを施しました。
結果はご覧の通りです。
特に画面右側の曲がった木が
効果的なアンバランスさを生んでいることから、
立ち位置も良かったです。




第二席
スポットライトをあびて」 市川健一郎

02.jpg

露出を切りつめローキーにしたことで、
光りがある部分のみが画面のなかで浮かび上がっています。
それに加えて低い位置からのアングルもさることながら、
日傘の赤がこの作品のポイントです。
場面に応じ、作画に的確な人が来るまで
待った努力が報われましたね。




第三席
寒桜」 片岡直之

03.jpg

絵はがきのようないわゆる鉄道風景写真は
一般的には人気がありますが、
当会はそれを目標とはしていません。
それだけでは個性がないとボクが思っているからです。
ただこちらの作品は違います。
決して美しい風景写真ではありませんが、
作者の意志が強く表れた個性的な一枚だと思います。




第四席
信頼」 野村一也

04.jpg

駅員と乗務員との信頼関係が垣間見られる
絶妙なシーンを上手く捉えました。
人と鉄道の関わりを強く感じます。
フレーミング等も良いですが、
更なる作品としての高まりを求めるのであれば、
彼ら2人がお互いの目を
見つめあっている場面を逃さないことでしょう。




第五席
秋陽」 木村正一

05.jpg

列車を撮りに行ったとき、
車両そのものではなく
光りを浴びている落ち葉を気に留め、
それを主題にしようと思った感性は大変素敵なことです。
それだけではなく、
それと分かるよう必要最小限の部分で
車両を表現したことも粋な計らいで、
作者のセンスの良さと高さが見受けられます。




第六席
ライトニング・シャワー」 固山敏行

06.jpg

太陽と影を対角線上に配した構図、
列車のブラし、ゴミによる玉ボケ、
どれをとっても考え抜かれ、
さらにひらめきも加えた秀作です。
敢えての辛口ですが、
ならばNDフィルターを加えて手前ピントで奥をボカせば、
遠近感+大きく柔らかい玉ボケとなり、
至極の一枚となったでしょう。

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2020年12月25日

2020年コロナに負けるなお宝発掘コンテスト


2020年コロナに負けるな!
お宝発掘コンテスト



総評:山崎 友也

新型コロナウイルスの感染拡大防止として、
予定していた撮影会が中止となってしまい、
代わりに今までのストック写真からの選定となりました。
そのため場所の制約やお題もないため、
それぞれが自由に撮影しており、
なかなかレベルの高い作品が多かったです。
このように実力はあるのですから、
今後の撮影会でもあまり気負わず
自分らしさを出してもらえればと思います。







第一席 「銀河鉄道
森元 容梨子

01.jpg

窓に映る反射を利用した情緒深い作品です。
ポイントはずばり雨粒にピントをあわせたことですね。
それによって街の光がアウトフォーカスされ、
距離感が強調されるとともに余計なものを目立たせなくしています。
車内に人がいないのも現実感を薄め、
夢の世界への誘いを勧めてくれています。





第二席 「トロッコ列車のカワイ子ちゃん
固山敏行

02.jpg

一瞬の出来事だったと思いますが、
大変微笑ましいカットが撮れましたね。
列車の進行方向が画面に対して斜めなので、
動きのある構図になっています。
カワイ子ちゃんだけではなく手前に
花桃が入っていることで季節感も表現でき、
色彩も豊かになりました。






第三席 「線路は続くよどこまでも
窪田 稔

03.jpg

闇のなか、森の奥から列車がこっちに向かってくる!
という期待感にあふれた一枚です。
列車そのものは写っておらず、
ライトの光によって反射したレールのみを表現した感性と、
それを画面の左下隅に配置したフレーミング力が
素晴らしいと思います。






第四席 「冬の海
木村正一

04.jpg

波しぶきがあたりに
霧のように漂っている感じが幻想的ですが、
それだけ風が強かったということでしょう。
舞い飛ぶ海鳥もここまで大きく捉えることは、
列車のタイミングを考慮すると奇跡的ともいえます。
寒さに耐えた苦労が報われましたね。



posted by CPCれいるうぇいず at 00:00| 日記

2020年10月01日

2020年 秋リモート撮影会テーマ「美」

2020年秋リモート撮影会
「テーマ・美
10月11日(土)


総評:山崎 友也

「美」という意識は
みなさんそれぞれで違うでしょうし、
鉄道を介してというと、まさにそれは千差万別。
ということは、写っている美しさではなく、
個々がそう思ったことをどのように表現するかということがポイントでした。
つまりそこには単なる思いだけではなく、
構図、露出、ピント、レンズワークなど写真の基礎的な技術が、
撮り手の感性とマッチしないと厳しかったかと思います。





第一席 「滅びの美学
固山 敏行

美、@滅びの美学 固山敏行.jpg

草木に覆われて朽ち滅んでいく車両の姿を

「美」と捉えたセンスは、なかなかのものです。

しかもあえてモノクロにすることによって、

色に左右されずに

その状況がストレートに伝わってきます。

時間的な流れや自然の摂理など、

さまざまな要素も垣間見られる秀作です。







第二席 「ビーナスライン
福田光昭
美 Aビーナスライン福田光昭.jpg

写っている車両を
ビーナスに見立ててのタイトルでしょうか。
確かに画面左側の、
ホームの蛍光灯を反射した曲線が、
どことなく女性らしさを感じさせます。
そのハイライトがこの作品のキーになっているので、
画面右上にあるホームの蛍光灯は、
入れない方が良かったでしょう。




第三席 「質感
森元容梨子
美B質感 森元容梨子.png

やや露出を切りつめて
モノトーンの表現にしたことと、
なによりも、この切り取り方が絶妙でしたね。
画面の上部にわずかにハイライトを入れることで、
旧型客車の雰囲気が出ています。
おかげでモケットの肌触り良さそうな質感や
立体感が見事に表現されています。




第四席 「造形美」
片岡直之

美C造形美 片岡直之.jpg

写真は撮りたいものを画面に加えていくのではなく、
削っていくものです。

それに則ったこちらの作品も、

構図力がものを言いました。

また車両外観は金属やガラスなどで冷たく写ってしまいますが、

赤い車両の色やランプのおかげで硬いイメージが和らぎ、

「美」を意識させてくれました。



posted by CPCれいるうぇいず at 09:39| 日記

2020年01月24日

2019年 年度賞 入賞・入席作品


2019年 年度賞
総評 山ア 友也


ここ何年か質の低下を嘆いていた年度賞ですが、
今年は多少は改善したように思えます。
特に季節や時期が限定された作品が多く、
賞を狙うという以前に、
良いチャンスを逃すまいという意識の表れだと思います。
会員全員がそういう思いのもと、
技術と感性の向上を図り、
会の趣旨でもある
新たな鉄道写真を目指していければと思っています。




最優秀賞
 「夏の思い出」 山川健一

01山川健一.jpg

合成かと思うほど、まさに絵に描いたような作品で
完璧な仕上がりです。
狙ってもそう簡単には撮れるものではありません。
風の悪影響も受けることなく、
花火の広がりも大きく迫力も満点です。
ただただ素晴らしいという以外ありません。




第一席
Drop light」 森元容梨子

02森元容梨子.jpg

車両に日が射し込んだ情景を見つけたとき、
ただ写すだけではなくローキーに表現したことで、
スナップと言うよりも広告写真のような作品になっています。
何気ないシーンも見逃さず、
瞬間に撮りたい絵を思い描ける
想像力の豊かさのおかげでしたね。




第二席
」 木村正一

03木村正一.jpg

適切なシャッタースピードを探し当て、
堰を流れ落ちる水のようすを造形美として捉えた秀作です。
川の風景写真とするのではなく、
列車をボカしてイメージ写真とした発想が正解でした。
鳥がいてくれたのも席次を高めた大きな要因です。




第三席
春宵」 窪田稔

04窪田稔.jpg

こちらの作品も通常なら列車にピントを合わせたいところですが、
あえて主題を桜にしたところがポイントです。
しかもホワイトバランスも好みの色合いになるよう、
撮影時から設定していることも絵づくりの能力の高さですね。




第四席
三ツ目ばく進」 市川健一郎

05市川健一郎.jpg

電化区間というのは非電化区間に比べると
人工物などの邪魔ものが多く、
なかなかすっきりと撮ることができないのですが、
時間帯と巧みな露出ワークでそれらを一気に消し去りました。
列車のライトの数も計算に入れている点も脱帽です。




第五席
去りゆく秋」 寺倉篤史

06寺倉篤史.jpg

季節と天気、そして時間帯の三拍子が揃わないと
撮れない一枚ですね。
タンク車の形状と反射も良いのですが、
更に作品性を高めて上を目指すのであれば、
車両に対する想いを少し減らし、
ここはススキにピントを合わせるべきでした。


posted by CPCれいるうぇいず at 15:21| 日記

2019年秋撮影会 「ひたちなか海浜鉄道・真岡鐵道」


2019年秋撮影会
 「ひたちなか海浜鉄道・真岡鐵道
5月23日(土)、24日(日)


総評:山崎 友也

2日間とも大雨で、撮影条件としては最悪でした。
ただ、何度も言っているように、
このような状況の方が秀作が生まれやすく、
かつ個性が出やすいものです。
今回もその理論が証明されたと思います。

雨ならではの光景、
雨でなければ撮れないカットが目を惹き、
やはりそのどれもが個性的で優れていました。






第一席 「ほの暗い道の先に
固山 敏行

01固山敏行.jpg

雨で濡れてしっとりとした植物に覆われた、
トンネルのような細い路。
その先にふと顔を覗かせる踏切を通過していくツートン列車。
構図も露出もシャッターチャンスも列車の大きさも、
すべてが計算尽くされて撮られた傑作で、見事のひと言です。





第二席 「熱情
西住 美穂

02西住美穂.jpg

鮮烈ともいえる赤色で覆われ、
列車が走っている動感もあり、
作品としてはこちらが最もインパクトがありました。
WBや構図などには多くの問題点がありますが、
「写真」ではなく「作品」という面で、
技術や理論ではなく感性で撮られた、
素晴らしい一枚だと思います。





第三席 「雨の日の憂鬱
野村 一也

03野村一也.jpg

「列車に乗っている人のゆううつさが出るイメージで」
というコメントがありましたが、それを知らずとも、
そのような意図が伝わってきます。
色合いもそうですし、
紙にもこだわってプリントアウトしたあたりに、
作者の表現者としての意志を感じます。






第四席 「雨あがりのひととき
村田 秀人

04村田秀人.jpg

雨粒にまとわれたセイタカワダチソウが、
宵の頃の独特の雰囲気のなかでたたずんでいます。
ただしメインとなっている草の先端が切れているのが残念です。
その奥を走る列車の赤いテールランプが
色の対比となり非常に印象的なだけに、惜しかったです。





第五席 「色彩モノクローム
寺倉 篤史


05寺倉篤史.jpg

ホームに溜まった水たまりに、
駅員が映り込んだシーンをうまく捉えました。
作者は作品として写真の天地を逆さまにしていますが、
むしろ個人的には撮った状態のままの方が良かったと思います。
足の切り方なども絶妙だっただけに、もったいない限りです。




posted by CPCれいるうぇいず at 15:07| 日記