2024年03月27日

2023年9月例会テーマ「鐡道への想い」

テーマ : 鐡道への想い

総評 山ア 友也

  やはりみなさん鉄道に関しては特別な思いがあるようで、その気持ちがそれぞれの作品ににじみ出ているようでした。

ただ自分の思いを作品に表したのではなく、他人の思いを写した作品に秀作が多かったのは意外でした。

とはいえ全体的にはレベルの低い争いであったのは否めません。





 第一席 岡 真也 

9月課題第一席.jpg


人気のある列車はいつの時代もこのようなシーンになりますね。

ただしもっと混雑ぶりや密集度を表現するには、被写体から自分がなるべく離れて望遠レンズで撮ることです。

悪い作品ではないのですが、どことなく緊迫感が感じられないのは、そのような技術的な面からだと思います。





第二席 窪田 稔

9月課題第二席.jpg


新幹線に直に触れることを喜んでいるチビッコのシーンですが、良い面と悪い面それぞれありますね。

良い面は、坊やの顔が見えていないこと。

このことで写真を見る側がこの子の楽しそうな表情をあれこれ巡らせてくれるからです。

悪い面は構図ですね。できれば坊やの足は切らずに画面の中に入れたかったですね。

posted by CPCれいるうぇいず at 15:51| 日記

2023年12月19日

2023年度年度賞

2023年 年度賞


総評:山崎 友也

毎回レベルの低さから酷評しているおなじみの年度賞ですが、

今年はなかなか趣向を凝らした作品が多く、

皆さんの向上心を感じることができ嬉しかったです。

とはいえ渾身の一枚とは言いがたいカットも多く、

そのあたりは熟考の余地ありということでしょうか。





最優秀賞 「月が出た!
木村正一
最優秀賞木村月が出た!.jpg


ボクが何年も前から狙っていたカットをものの見事に撮影してくれ、

かなりジェラシーを感じている一枚です。

一見簡単なように見えますが、撮影日の計算とその日の天気、

列車の時間など、相当複雑で運も伴わないと撮れない奇跡のカットと言って良いでしょう。

この写真を軽視している皆さん、

是非一度狙って撮ってみてください。





第一席 「ある夏の日
固山敏行

年度1席ある夏の日固山.jpg

一見何気ないようなシーンですが、実は鉄道界としては意外と重要で・・・。

新規に開業する予定の路面電車の試運転のカットなのですが、

地元の人にとっては見慣れているのか、新鮮味がないようです。

そこが我々としては逆に面白く、

何より計算したように配置された人のバランスが見事です。





第二席 「雨ニモマケズ
野村一也

年度2席雨ニモマケズ野村.jpg

おそらく誰もが、良くある写真だと思うでしょう。

ところがここまで車掌さんをアップで捉え、

緊張感ある空気感を出しているカットというのはあまりありません。

それに加え、雨も降っている状況がよりいっそう現場の使命感を伝えてくれています。



posted by CPCれいるうぇいず at 19:31| 日記

2023年7月例会テーマ「迫力」

テーマ : 迫力

総評 山ア 友也

  質はともかく、いろいろチャレンジしようとしていることは認めます。

ただしそこに一定の共感や支持がないと作品として成り立たないのが実情です。

それはボクら写真家にも同じことが言えます。

とはいえ斬新さと目新しさに欠けていたのは否めません。





ゲスト津留崎賞 鈴木信行

課題迫力鈴木津留崎賞.jpg




テーマからして望遠レンズで列車をアップに切り取ったものが多いかと思いましたが、

そのようなありふれた作品は、もうお腹いっぱいです。

望遠=迫力と思いがちですが、実は広角=迫力なのです。

こちらのように広角レンズで被写体に近寄った方が、迫力は出ます。

それに加えて赤と青、緑、ピンクなど、色のコントラストも良かったですし、列車をブラしたのも、

より鳥居を強調する手段で的確な判断でした。






山ア賞 福田光昭

課題迫力福田.jpg


ハッキリ言って気象条件は運です。

しかしその運をものにするには、その現場にいなければなりません。

そしてその光景をどのように切り取り表現するかを取捨選択しなければなりません。

つまり条件が良くても撮り方を間違えると全く意味がないということです。

そこを考慮するとこちらの作品は列車のヘッドライトを狙って鉄道を意識させつつ露出アンダーにすることで、

空のおどろおどろさを見事に表していると思います。


posted by CPCれいるうぇいず at 19:24| 日記

2023年5月例会課題「通勤電車」

テーマ : 通勤電車

総評 山ア 友也

  

乗客が多いという当たり前な条件だけに似通った写真が多いかと思いきや、
いろいろな意味(!?)で期待を裏切ってくれてバラエティに富んだ作品に、意外さと驚きを感じました。
ただしレベル自体はやや物足りなさを覚えたのが残念でした。




第一席 岡真也

5gatu.jpg

総評にも述べたとおりさまざまな表現があったなか、
望遠レンズをうまく利用して遠近感と圧縮効果を出したこちらの作品に目が留まりました。
列車を右隅に配置してホームドアをメインにした構図の奥に通勤客が多く写り、
なかなか考えられたカットだと思いました。





posted by CPCれいるうぇいず at 19:18| 日記

2023年07月18日

2023年春の撮影会(秩父鉄道)

春の撮影会

総評 山ア 友也

  前回に引き続き今回も雨のなかでの撮影会となり、コンディションは良くなかったです。しかし悪条件下でこそ、より個性が感じられる写真が撮れるものです。そして雨であるなら、雨の写真を撮れば良いのです。つまり雨だからこそ撮れた、また雨ならではの写真を撮った人たちが感性が光っていたように思います。ただこの天候だったからか、参加者が少なかったのが残念でした。





第一席 固山敏行

秩父1席固山さん.jpg

  雨で気温が低かったため、SLから出される蒸気が写真映えしていました。そのようすを望遠レンズで圧縮し、より迫力のあるカットとなっています。ひときわ目を惹いたのが、SLと客車のほんの一部だけを切り取った大胆なフレーミングです。もっと引いて車両全体を入れたような構図であれば、このようなダイナミックさは到底表現できなかったでしょう。







第二席 堀内敦彦

ほりうち.jpg

  秩父鉄道の構内踏切にあるSLの警報灯に、よく気がつきましたね。それと本物のSLをマッチングさせた楽しいスナップです。SLだと認識できる的確な絞りの選択でした。また同時に警報灯についた雨粒もはっきりと写っているため、撮影日当日の雰囲気も良く伝わっています。







第三席 溝渕博

3席溝渕.jpg

  見学者の傘越しに撮影したことが大きな勝因でした。この傘があるおかげで転車台付近の臨場感がいっそう感じることができます。SLから蒸気が出ているタイミングも良かったですね。もし左のピンクの傘が右の傘にくっついていれば、完璧な作品でした。


posted by CPCれいるうぇいず at 22:49| 日記

2023年01月04日

2022年第2回例会 かいこ

テーマ : 懐古

総評 山ア 友也

  テーマがテーマなのでモノクロの作品が多かったですが、率直に言ってそれはある意味“逃げ”が入っていると思います。内容が良ければカラーでもモノクロでも、色は関係ないのです。とにかく“何をどう撮るか”が大事なので、まずはそこを真剣に考えて写真に向きあって欲しいと思います。






第一席 荒井たかし

かいこ1席荒井たかし.jpg

  「昔の記憶を表現しました」とのことですが、もともとこの写真を撮りたくて鉄博へ行ったのか、鉄博に行ってみてこの写真を撮ろうと思ったのか、ここに至るまでの過程がとても気になります。そのくらいこの発想力と捉え方は魅力的で、感性あふれる素晴らしい作品だと思います。






第二席 固山敏行

かいこ2席固山.jpg

  廃線跡のトンネルのシーンですが、ポイントは2人のシルエットですね。女性のポーズとともにお歳を召されたような雰囲気が、この路線の歴史や栄枯と重なるように思えます。そんなようすを写しとったさまは、まさに今回のテーマにピッタリでした。








第三席 山内真弓

かいこ3席山内真弓.jpg


  レトロなつくりの喫茶店から、男性が外を走る列車を眺めるようすが印象的です。全体の色合いや明暗差も相まって、懐かしく感じているのだろうなと、この男性に感情移入せざるを得ません。そのように思わせる見事な絵作りで、列車が写るタイミングも申し分ありません。




posted by CPCれいるうぇいず at 08:32| 日記