2016年01月18日

2015年 年度賞 入賞・入席作品


2015年 年度賞
総評 山崎 友也


さすがに年度賞だけあって力作が揃い、
選ぶのに苦労いたしました。
今回の作品を眺めていると、
あらためて鉄道写真の幅の広さを痛感するとともに、
まだまだ自己の視点の及ばなさや
視野の狭さも痛感する次第でした。

応募作品のなかには編成写真や風景写真もありましたが、
これらは暴論かも知れませんが
基本的に技術と時間があれば撮れるものです。
そこに個性や感性をどう表現するかということがないと、
鉄道趣味の域を出られなかったり、
単純にきれいな写真で終わってしまいます。





最優秀賞

 「富山駅を映す」 駒崎 洋介

2015年度賞_駒崎洋介_富山駅を映す_original.jpg

北陸新幹線の開通で
開発目覚ましい富山駅前のようすを、
ビルの窓ガラスの反射を利用して
捉えているところに惹かれました。
カメラをほぼ水平に構えたことで
窓枠の歪みがほとんどなく、
パターンが一定だったところも良かったです。
一見するとどこかの発展途上国のようにもみえますね。




第一席 「踏切」 河野 信宏

2015年度賞_河野信宏_タイトル 星の踏切_original.jpg

「踏切」という例会のテーマの時に提出された作品ですが、
これをみたときには本当にシビれました。
これをオマージュに、
いつか完璧な作品を撮ろうと思っています。
ただ前回と微妙に色が異なっているのと、
タイトルまで変わってしまったのは、
なにか理由があったのでしょうか?




第二席 「夏の終わり」 山内 真弓

2015年度賞_山内真弓_夏の終わり_original.jpg

総評のところで「単純にきれいな写真・・・」と述べましたが、
そうでない写真というのはこういうことです。
夕日が雲をピンク色に染め上げた気象の状況を
大胆に大きく取り込んでいます。
アンダー目の露出でも空を反射しているので
列車の存在感もピカイチです。
狙って撮れるわけではなく、
現場での対応能力が光った一枚です。




第三席 「鉄路を守る」 木村 正一

2015年度賞_木村正一_鉄路を守る_original.jpg

北国では降り積もる雪との闘いです。
ここでのポイントは夕闇のなか
ハイライトの位置で作業員が作業をしているため、
すぐそれに目が向けられることでした。
列車は写っていませんが、
優れた鉄道スナップだと思います。
微光沢紙を選択してプリントした仕上げも、
しっとりと感じられて良かったです。




第四席 「風そよぐ」 林 貴美

2015年度賞_林貴美_風そよぐ_original.jpg

こちらも例会のテーマ時に提出され、
入席された作品です。
やはりスローシャッターで
コスモスを大胆にブラした発想力が決め手でした。
側面が反射した車両もとても印象的なのですが、
もう少し列車と分かりやすければ
さらに良かったと思います。




第五席 「ぬくもり」 吉田 靖子

2015年度賞_吉田靖子_ぬくもり_original.jpg

例会での入席作品が続きますが、
イルミネーションのボケを巧みに利用した
駅でのスナップです。
ただやはり気になったのは画面右中央付近にある、
路面に描かれた白線ですね。
微妙に自分が動いて
大きな玉ボケでここを隠せば完璧でしたね。




第六席 「SNOW Dance」 山川 健一

2015年度賞_やまかわけんいち_SnowDance_4T6A9190_original.jpg

闇を煌々と照らす赤いシグナルが鮮烈な一枚です。
撮影時は風が吹いて大変だったでしょうが、
雪の軌跡をよくみると一直線ではなく
下降したり曲線を描いているものもあります。
ということはまだまだ風が弱いのです。
このようにならない本当の強風時を狙えば、
もっと寒さが強調できたと思います。




第七席 「穴ぐらの中から」 三品 智洋

2015年年度賞_三品智洋_穴ぐらの中から_original.jpg

額縁構図を上手く利用した作品ですね。
周りの黒と鉄橋の赤色のコントラストも良かったです。
通常であれば紅葉と鉄橋のみを狙うところですが、
このようになにか変化をつけることで作品性は増してきます。
この旧トンネルから撮ってみようと思った時点で、
おのずと成否は分かりますね。




第八席 「みらいStation」 堀内 敦彦

2015年度賞_堀内敦彦_みらいStation_original.jpg

この作品も考えに考え抜いて撮られている秀作です。
ですが、さすがにここまで例会テーマの作品が並ぶと
目新しさも欠けてしまいます。
と同時に、年度賞に匹敵するだけの作品が
この人たちは他に撮れなかったのか?
もしくはその他の会員たちは何をしていたのか、
と思ってしまいました。




第九席
「春です 列車が通ります!」 村田 秀人

2015年度賞_村田秀人_春です。列車が通ります!_original.jpg

華やかでうららかな春のようすが
非常によく表現されています。
花に近寄り前ボケを大胆に取り入れたことで、
全体的な遠近感も生まれました。
できれば列車の先頭部には
花を被らせない方が良かったのと、
シャッター速度を遅くして
列車をブラすなどの工夫があれば
もっと上位に食い込んだでしょう。



次点

固山 敏行、 尾野 靖、 大野 康晴

米沢 朋英、 福田 光昭

posted by CPCれいるうぇいず at 19:33| 日記

2016年01月07日

2015年 秋の撮影会(11月22-23日実施)入席作品


【秋の撮影会 富山】
11月22日(日)〜23日(月)開催



総評:山崎 友也


今回はさまざまな鉄道が走る富山が舞台でしたので、
作品に写った被写体もいろいろで楽しめました。
初日が完全フリー行動というのも画期的で斬新でした。
ただ全体的な傾向から、
全体で行動したときよりもフリーの日に
撮られた作品の質の方が高かったことから、
ちょっと富山という地を知らない人には
ハンディだったかも知れません。
そう考えると2日目に撮った作品で
入席した会員は素直に喜んで良いでしょう。




第一席  「ガラスの街の路面電車」 尾野 靖

MX-2514FN_20160107_122304_001.jpg

富山はガラスの街ということで、
街中にガラス細工やオブジェがたくさんあるということ。
それを巧みに操い、
路面電車をガラスに閉じ込めました。
ピント面をガラスの球面にあわせたことで
街並みがアウトフォーカスになり、
まるで背景がジオラマのように
見えるところも面白いですね。




第二席  「新旧」 吉田靖子

MX-2514FN_20160107_122304_002.jpg

瓦屋根が輝く木造建築は、
「驛」という文字さえあれば
もう何を切り取ったか明らかですね。
最低限のものだけを表現することで
シンプルかつダイナミックさも感じます。
モノクロでアンダー目に撮ったことで
バックの空も落ち、
文字を強調するのに効果的でした。




第三席  「前方注意」 山本俊則

MX-2514FN_20160107_122304_003.jpg

運転席の鏡を利用し、
背景も電車だと分からせる
微妙な被写界深度が良かったです。
可能であればもうホンの少し左から狙い、
運転士さんの左目が切れないように撮れば完璧でしたね。
あとデータから推測すると完全に露出アンダーな写真を、
明るくプリントアウトしたのではないでしょうか。
この状況だと撮る前にかなりプラスの露出補正が
必要だったかと思います。




第四席  「いつもの道」 堀内敦彦

MX-2514FN_20160107_122304_004.jpg

線路を大きく取り入れることで、
奥の踏切との距離感が上手く伝わってきます。
歩いている人物の服の色も赤くてラッキーでしたね。
手持ちとはいえ狙って撮ったカットだと思うので、
カーブする右の線路も画面の中に入れた方が、
よりバランス良かったでしょう。




第五席  「筋雲」 市川健一郎

MX-2514FN_20160107_122304_0052.jpg

広角レンズで空をより広く見せ、
小さいローカル電車との対比を計っています。
露出もアンダー気味にすることで
青空を流れる筋雲を目立たせています。
ただこの場合は列車は
画面の左右の中心の位置にすべきだったでしょう。
確かに車体が反射したこのカットを選びたいところですが、
ならば画面の右側は少しトリミングして
プリントアウトすべきでした。




第六席 「味覚の秋」 山川健一 

MX-2514FN_20160107_122304_0062.jpg

画面構成、列車のボケ具合とブラし具合、
どれを取っても完璧です。
ただA型乙女座としては
中央下の前に飛び出ている枝が
どうしても気になります。
この枝を写真に写らない位置に動かすか、
もしくは枝が写らない位置に自分が少し移動するかして、
ピント位置を一番下の柿にあわせれば
本当にパーフェクトでした。


posted by CPCれいるうぇいず at 12:45| 日記

2015年11月19日

第23回例会(10/17実施)入席作品【テーマ:小さい秋】


テーマ : 小さい秋


総評 山ア 友也

今回のテーマも抽象的で難しいとは思いましたが、
蓋を開けてみると意外や意外、
なかなか写真的にはレベルが高くて
セレクトするのに苦労するほどでした。
ただし残念だったのは、
手前の被写体にピントをあわせて
列車をボカした写真があまりにも多かったということです。
発想がワンパターンに近いので、
少し撮り方や視点を変える必要があるでしょう。




第一席 「道端のエール」 服部 禎仁

審査用_服部禎仁_道端のエール.jpg

踏切のたもとに生えるアキノエノコログサ。
夕方に逆光で狙うことにより、
穂が輝いて美しさを増しています。
列車も画面の端に小さく入れ込んでいるので、
存在感も弱くて良いと思います。
普段は目にも留めないような場所でたまたまみつけた、
これぞ小さい秋ではないでしょうか。




第二席 「風そよぐ」 林 貴美

審査用_林貴美_風そよぐ.jpg

ほとんどの会員が手前の被写体にピントをあわせて撮っていたなか、
列車をインフォーカスで撮影した数少ない作品です。
しかもスローシャッターでコスモスをブラし、
列車は逆光で輝きを浴びるという大胆な撮り方に
大変新鮮味と発想の豊かさを感じました。
素晴らしいと思います。




第三席 「忍び寄る影」 山本 正雄

審査用__ _山本正雄_ _忍び寄る影.jpg

コスモスや柿、栗、彼岸花、ススキなどに
ピントをあわせて撮影された作品は数多かったのですが、
ただそうして撮っただけではインパクトもありません。
そう考えるとこちらのシーンはダントツに心に残りました。
右に伸びる茎の処理さえできていれば完璧でしたね。




第四席 「寒露の朝」 窪田 稔

審査用_窪田 稔_寒露の朝.jpg

まだ稲の穂が緑色なのと朝露が降りていることから、
秋の始まりを感じさせてくれます。
低く斜めから伸びる逆光線で撮っているため、
稲の葉や水滴がきらきらと輝いてきれいですね。
ただしどの露にピントをあわせたのか、
もっと明確になるよう撮った方が良かったでしょう。




第五席 「衣替え」 吉田 靖子

審査用_吉田靖子_衣替え.jpg

駅のホームで、しかも人工物ですが、
確実に季節は移りゆくものなのですね。
この視点には脱帽です! 
残念なのは秋感が少ないこと。
もう少し前から今よりもワイドで撮ったりするなどして、
看板のモミジがもっと画面を占めていれば、
かなり面白い作品になったと思います。



 
第六席 「着陸態勢」 野村 一也

審査用_野村一也_着陸態勢.jpg

夕焼け空とアキアカネで十分秋の訪れが表現できています。
ただ難しいのはトンボは小さいため、
標識の存在感が強すぎることです。
このことはどうしようもないことだと思います。
画面左にじゃまな柱があったりしますが、
列車のアウトフォーカスを狙わなかった作風に惹かれました。




次  点 

木村 正一、 花木 広幸、 固山 敏行、
工藤 治彦、 山川 健一
posted by CPCれいるうぇいず at 04:22| 日記