2022年11月20日

2022年春の撮影会

2022年春の撮影会
「京王井の頭線、三鷹跨線橋、西部多摩川線」
7月17日(日)


総評:山崎 友也

今回の撮影会は

京王井の頭線、中央線、西武多摩川線のほか、

南武線や貨物列車も撮影対象ということで範囲が広く、

そのなかでどこにポイントを絞るかが

結果を左右したと思います。

総合的にはやはり井の頭線の作品が多かったですが、

その分撮り方や視点を工夫したものが選ばれました。






第一席 「rusted」
高橋信行
リアル撮影会@rusted高橋信行.jpg

錆びた鉄の柱やフェンスが主題ですが、

背景に新型の車両が写っているのが

それとは対照的で良かったです。

この作品のポイントは

フェンスの編み目のなかにどの車両を入れるか?

だったと思いますが、

特急車両を選択した感覚と、

そしてそれに伴う全体の構図のバランスや絞り値も、

すべて的確でした。






第二席 「真夏の休日
篠原幸彦
リアル撮影会A真夏の休日 篠原幸彦.jpg

この作品の決め手はシャッター速度と人の配置ですね。

スローシャッターで撮影しているため、

緑の風景の静のなかに、人々が歩いている動の要素を加えています。

惜しむらくはもう少し休日っぽい人が写っていて欲しかったことと、

ちょっと露出がアンダーだったことでしょうか。







第三席&ゲスト山下大祐賞「路地裏の風景
固山敏行
リアル撮影B山下賞ダブル受賞 路地裏の風景 固山敏行.jpg

一見すると暗くて何が写っているのか良く分かりませんが、

見ればみるほど味わいが深くなる作品です。

枠の狭い額縁構図のなかに、

鉄道スナップの基本的な要素がすべて詰まっています。

このタイミングを捉えるだけで、かなり時間を費やしたことでしょう。

その苦労が手に取るように分かり、

そして報われました。

posted by CPCれいるうぇいず at 19:51| 日記

2022年01月07日

2021年 年度賞

2021年年度賞


総評:山崎 友也

毎回気が重くなる年度賞。理由は、

「ホントにこれがあなたにとって今年一番の作品ですか?」

と問い詰めたくなるくらい、

レベルが低いからです… 

ただ今回は、なかには素晴らしい作品がありました。

しょぼい作品との差が激しかったのも、

また今年の特徴でした。






最優秀賞 「ようこそ!北の大地へ」
野村一也
2021年度 最優秀賞「ようこそ!北の大地へ」野村一也.jpg

動物は言うことを聞いてくれないので、

撮ることは難しいですね。

ましてや鉄道と動物を絡めるなんて、至難の業です。

そう考えると、運にも恵まれましたが、

その運をたぐり寄せてモノにした、素晴らしい一枚です。

構図も良く、超望遠レンズでピント合わせも厳しいなかバッチリと合わせ、

ダントツの最優秀賞でした。




第一席 「遡上の季節
山内真弓
2021.jpg

一面を水面で覆った、
意表を突かれた作品に驚きました。

その水面はキラキラと輝き、しかもカメラアングルも相まって

美しさと迫力を兼ねそなえています。

なによりも自然の川の流れのなか、

0.1秒でもタイミングが狂うと台無しになってしまうこの一枚に

チャレンジしようとした勇気に拍手を送りたいです。








第二席「やさしい時間
窪田稔
2021年度Aやさしい時間窪田稔.jpg

あかるくほのぼのとしたカットで、

見ているこちらも心が和みます。

お母さんがホームの線路際を歩いていることから、

我が子に対する愛情を感じずにはいられません。

そして通常ならその親子にピントを合わせるところを

手前の桜に合わせた感覚は素晴らしいですね。

できれば左にあるオレンジ色の柱はカットして欲しかったです。








第三席「邂逅
市川健一郎
2021年度B 市川健一郎.jpg

鉄道写真は基本的に自然が相手なので、

定時にやってくる列車と

その現象などをシンクロさせるのは、本当に難しい作業です。

ただし、時には自然界の方から「撮ってくれ」とやってくることがあります。

要はその時にカメラを持っているか、

そのチャンスを冷静に受け止めてきちんと撮れるかです。

その場面や状況をうらやんでばかりでは、

上は望めません。







第四席「かたらい
木村正一
2021年度Cかたらい木村正一.jpg

通常、日の丸構図は良くない構図とされていますが、

この場合、太陽は真ん中で正解です。

しかも運を味方につけ、太陽のなかに車内の2人が語り合っているシーンを

見事に撮ることができました。

他の窓がブラインドを降ろしていたせいか、

まさにここだけが浮かび上がったのもラッキーでした。




posted by CPCれいるうぇいず at 21:03| 日記

2021年10月15日

2021年秋のリモート撮影会テーマ「重」

2021年秋リモート撮影会

 10月10日(日)テーマ「重」  




総評:山崎 友也

今回のテーマはいろいろな解釈ができるようにし、

会員それぞれの感じとった「重」を表現してもらいました。

結果はやはり「重い」と「重なり」

と捉えた人がほとんどでした。

もう少しひねりを利かせた作品があっても良かったかなと、

発想の乏しさに多少残念な気もしました。



第一席 「トラス
木村 正一

重@トラス 木村正一.jpg

トラス橋を斜めから眺めれば、

それ自体三角形が重なって見えますが、

形や色の異なるトラス橋が4本も重なっているところからすると、

すでに撮る前からこの場所で撮影しようと決めていたのでしょう。

その狙い通り複雑で面白い重なりになっただけではなく、

列車も数本行き交っており、

造形美だけでなく華を添えてくれました。




第二席 「かさなり
山川健一

重Aかさなり 山川健一.jpg

比較明か何かの合成ゆえに一部がおかしな表現になっていますが、

なかには合成しないと撮りたくても撮れない写真もありますので、

事実を重ねたりする合成は全然問題ないと思っています。

という点からすると、遮断棒のヒラヒラする重なりは良かったですが、

詰めもきちんと仕上げたかったですね。




第三席 「鱗のトンネル
窪田 稔


重B鱗のトンネル 窪田稔.jpg

レンガ造りの重そうなトンネルの一部を切り取っていますが、

トリミングをしていないとするならば完璧なフレーミングですね。

列車のライトの入り方が素晴らしいです。

出口付近に木の枝が伸びていることからも、単なる重量の重さだけではなく、

歴史の重みも感じずにはいられません。




第四席 「雨を散らして
寺倉 篤史

重C雨を散らして 寺倉篤史.jpg

機関車の台車が連なる重量感を上手く捉えています。

望遠レンズを使っていることから圧縮効果が生まれ、

それがより伝わりやすかったのでしょう。

とはいえもっと激しく雨飛沫が飛んでいれば別ですが

雨の存在感が非常に乏しいので、

タイトルは再考の余地がありますね。






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posted by CPCれいるうぇいず at 10:11| 日記