2022年 年度賞
総評:山崎 友也
今まで酷評してきた年度賞の作品ですが、今年は違いました。今までで一番レベルが高かったですね。
もちろん例年通り「これが年度賞候補?」という会員もいましたが、全体的に良かったです。ただ出展数などを鑑みて、苦渋の決断ですが上位4名に絞らせていただきました。
みなさん、この調子で来年もバリバリ良い写真を撮りましょう!
最優秀賞 「なんとなくクリスタル」
市川健一郎

雨に濡れた線路を捉えたものですが、
ピントがどこにもあっていません。
色合いのせいもあると思いますが、ただそれが逆に非常に印象派的な表現というか
シンプルに心に受け止められるのでしょう。
どことなく悲しげな感じも感情移入させられます。
人の心を打つ、大変見事な手法だと思います。第一席 「都会の風物詩」
西住 美穂
どんど焼きのシーンでしょうが、
まず特筆すべきは傍観者になっていないことです。
このような写真は通常ワイドで周りの人たちも入れて撮ってしまい、
結局何を表現したかったのかが分からないものが多いです。
こちらの作品は望遠系のレンズで燃えさかる火に焦点を合わせたところがポイントです。熱による陽炎も良い効果を出してくれましたね。
第二席 「光芒一閃」
やまかわけんいち
どこかの著名な鉄道写真家の作品に似ていますね (^_^;)
トンネルのなかから列車が出てくる瞬間を冬に捉え、
白と黒の世界でインパクトも十分です。ただそれならば根雪ではなく、雪が積もった際に撮りたかったですね。
線路や木々も真っ白の方が、よりげんそうてきだったと思います。第三席 「春」
木村正一
会の方針として「新しい鉄道写真を目指す」ということから、
なかなかきれいな絵はがきのような風景写真は選ばないのですが、
この作品はそれを上回るものがありました。
左右の桜でシンメトリーを作り、あえてSLを日の丸の位置に置くという、
絵はがきとは全く異なる個性が光った一枚でした。
第四席 該当者なし