2020年01月24日

2019年 年度賞 入賞・入席作品


2019年 年度賞
総評 山ア 友也


ここ何年か質の低下を嘆いていた年度賞ですが、
今年は多少は改善したように思えます。
特に季節や時期が限定された作品が多く、
賞を狙うという以前に、
良いチャンスを逃すまいという意識の表れだと思います。
会員全員がそういう思いのもと、
技術と感性の向上を図り、
会の趣旨でもある
新たな鉄道写真を目指していければと思っています。




最優秀賞
 「夏の思い出」 山川健一

01山川健一.jpg

合成かと思うほど、まさに絵に描いたような作品で
完璧な仕上がりです。
狙ってもそう簡単には撮れるものではありません。
風の悪影響も受けることなく、
花火の広がりも大きく迫力も満点です。
ただただ素晴らしいという以外ありません。




第一席
Drop light」 森元容梨子

02森元容梨子.jpg

車両に日が射し込んだ情景を見つけたとき、
ただ写すだけではなくローキーに表現したことで、
スナップと言うよりも広告写真のような作品になっています。
何気ないシーンも見逃さず、
瞬間に撮りたい絵を思い描ける
想像力の豊かさのおかげでしたね。




第二席
」 木村正一

03木村正一.jpg

適切なシャッタースピードを探し当て、
堰を流れ落ちる水のようすを造形美として捉えた秀作です。
川の風景写真とするのではなく、
列車をボカしてイメージ写真とした発想が正解でした。
鳥がいてくれたのも席次を高めた大きな要因です。




第三席
春宵」 窪田稔

04窪田稔.jpg

こちらの作品も通常なら列車にピントを合わせたいところですが、
あえて主題を桜にしたところがポイントです。
しかもホワイトバランスも好みの色合いになるよう、
撮影時から設定していることも絵づくりの能力の高さですね。




第四席
三ツ目ばく進」 市川健一郎

05市川健一郎.jpg

電化区間というのは非電化区間に比べると
人工物などの邪魔ものが多く、
なかなかすっきりと撮ることができないのですが、
時間帯と巧みな露出ワークでそれらを一気に消し去りました。
列車のライトの数も計算に入れている点も脱帽です。




第五席
去りゆく秋」 寺倉篤史

06寺倉篤史.jpg

季節と天気、そして時間帯の三拍子が揃わないと
撮れない一枚ですね。
タンク車の形状と反射も良いのですが、
更に作品性を高めて上を目指すのであれば、
車両に対する想いを少し減らし、
ここはススキにピントを合わせるべきでした。


posted by CPCれいるうぇいず at 15:21| 日記