総評 山ア 友也
走っている車両の写真は、ある意味、誰でも撮れます。
しかし、スナップ、しかも「こども」を撮るということになると、
その人の手腕や感性、そして度胸が試されます。
今回みなさんの作品をみて、
度胸の部分の弱さが露呈されましたね。
子どもとあらゆる意味で同目線にならないと、
このテーマを克服するのは難しいでしょう。
あと席次ですが、写真自体はよいのですが、
諸事情で上位に選べない作品も多く、
その点では歯がゆい思いをいたしました。
第一席 溝渕 博
やはり目につくのは、真ん中にいる南海のTシャツを着た坊やです。
手のしぐさや立ち方などから、
両隣にいる子たちとは列車に対する関心度が違います。
あと面白いのはこの子、本当に列車を見ているのでしょうか!?
その面白さもこの作品のポイントですね。
第二席 西住 美穂

写真的にはこちらの作品はかなり良いのですが、
当クラブの席次決定の基準はプリントなので、
二席とさせていただきました。
評価のためにWEBに作品をアップする際など、
ほかにも不手際などが多いのは、
公正を期す上でも直してもらわないとなりません。
第三席 佐藤 理

ボクちゃんが電車に手を振っている微笑ましいようすを
シルエットにすることで、
楽しさや期待感を芸術的に表現しています。
両手もしっかりと見えているので、
タイミングもバッチリでした。
ただ、黄色い線の内側にボクちゃんが立っているのが致命傷でした。
世知辛くなった世の中を恨むしかありません。
第四席 森元 容梨子

子どもたちの表情が見えなくても鉄道に対して
ワクワクしているようすが手に取るように分かるので、
とても良い作品です。
特に左の子の右手が効いています。
センターに線路を置いた構図も素晴らしかったのですが、
この子たち二人とも他人でしたら最高でした。
第五席 山内 真弓

鉄道員の表情が笑顔で大変ほっこりする
ハイタッチの場面なのですが、
なぜかそれが伝わってきません。
それは画面左の、子どもと手をつないでいる
お母さんのポージングです。
お母さんの身体をカットして手の先あたりのみ入れていれば、
そのようなことはなかったと思います。